1月7日
帰国展の準備。迷走していた証明機材の選定も終えて、模型制作に本腰を入れる。
もともとヴェネチア・ビエンナーレ日本館でおこなわれた本展は、4chのヴィデオと14chのスピーカーで構成されるインスターレションだった。日本館の構成要素ら──〈穴〉〈壁柱〉〈四周壁〉〈ペンシリーナ〉〈煉瓦テラス〉〈動線リング〉〈イチイの木〉──がそれぞれの視点をもつと仮構し、この要素群と人間の自然言語による「対話」を映像と音による約17分間のインスタレーションとして展示した。14個のスピーカーは現場に現に存在するアクター(発話する日本館の構成要素)の地点に置かれていて、まさに目の前の要素がしゃべっているようなものとした。が、今回の帰国展の最大の問題は「日本館ではない場所での展示である」ということに尽きる。壁柱や穴といった「日本館の実際にそこにある要素」から声が出るという構造は、そもそも現物がないので成り立たない。
ということで、アクターの模型を制作・配置し、各アクターの専用照明が発話に合わせて点灯するというシステムを組めばいいのではと考えて今に至る。素材はスタイロフォームで、模型自体のテクスチュアはできるだけ簡素に、控えめに。多分の照明によって背景にうつる影こそが重要。意外と?見たことのないものになるだろう。ある程度シミュレーションはしているが、多くのことは現場で判断すると思う。