12月28日
ヴェネチア・ビエンナーレの帰国展が、年明け1月24日から始まる。諸事情あって告知が遅れ、一昨日配信されたばかり。なにはともあれ、日本でより多くの方に作品を見てもらえる機会なので、無事開催されるのはありがたい。
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20260124-20260301
ありがたいとは言ったものの、自分らの展示スペースは自分らでDIY的に準備している。限られた予算でなんとか展示を実現しようと奔走している。本当はもっと色々な人にヘルプで入ってもらおうとしてたんだけど、実現するかどうかも怪しかったので、結局自分たちでなんとか進めている。
ヴェネチア関連でずっと困るのが、服。レセプションやらパーティやらがとにかく多い。僕のこれまでの人生では想定もしていなかった数のそういうたぐいの集まりがあって、しかもどの会も適当な服装ではいけない(どうしても見られてしまう)。帰国展でもやっぱりそれがあるので、どうしようかと悩む。ワードローブを増やす機会くらいに考えるのがよいのだろうが、ハレの場と日常服の整合性が難しい。服に関しては、CAMIEL FORTGENSが最近の自分のデザインの考え方にとても近いなと感じる。Our Legacyも面白いと思う。ところでOur LegacyのBorrowed Shirt(借りてきたシャツ)に作り方には、小さくない発明性があるように思える。単に大きかったり小さかったりするのではなく、他者の身体の痕跡のようなもの(恋人かもしれないし、父親かもしれない)をデザインに落とし込む際に、あえて余白・匿名性を残している感じがする。その服のほんらいの所有者が誰か(というナラティブ)、は、あくまで着る側が決める。ことができるような、そんなバランス。